空き家・空き室不正利用への注意喚起
空き家・空き室不正利用への注意喚起
近年、空き家・空き室が詐取金や不正薬物の送付先として利用されるケースが後を絶たず、 空き家・空き室が、特殊詐欺の被害金や密輸された不正薬物等の「受け取り場所」に悪用されている可能性があります。 家主や管理会社は、賃貸住宅が犯罪の温床とならないよう、定期的な巡回などを行い、不審なサインを見流さないようにご注意ください。
空き家・空き室を利用した犯罪の実例
【空き家・空き室を利用した犯罪の手口】
・空き家・空き室の郵便受け(集合ポスト)に架空の表札を貼付し、
その後、投函された不在連絡票を抜き取り、宅配業者、郵便局等から
現金や不正薬物等が入った荷物を受け取る。
・空き家・空き室に侵入し、住人になりすまして現金や不正薬物等が
入った荷物を受け取る。
・複数の空き家・空き室で同じ暗証番号を流用していたため犯罪組織が
その暗証番号を把握し、空き家・空き室に入り、入居者を装い荷物を受け取る。
【不正利用の恐れがある不審なサイン】

・空き家・空き室の様子を窺う不審者がいる。何者かに侵入された
形跡がある。
・見慣れない表札(社名など)が貼られているなど違和感のある
表示がある。
・空き家・空き室のはずなのに、頻繁に荷物が届く。
不正薬物の密輸の受取先として利用された賃貸住宅の空き室は、主にエントランスにオートロックがないアパートであると報道されています。
加えて、内見用の共通鍵がダイヤル錠タイプで、同じ暗証番号で複数の空き室に流用していたことが調査で明らかになっており、暗証番号が
密輸組織に把握されている可能性が高いとされています。
警察庁、国土交通省、財務省及び税関から、賃貸住宅の空き室の不正利用の防止には「合鍵と集合ポストの管理、暗証番号の定期更新の徹底」が
重要と注意喚起がされています。
家主の皆様はこのような事件を対岸の火事として考えるのではなく、暗証番号の定期更新や、定期的な巡回の実施などの対応策を管理会社とも相談し、
賃貸住宅の悪用の防止に努めることが求めれています。
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※3Dプリンターで使用する「フィラメント」と呼ばれるワイヤーのような材料。リールと呼ばれる部分に 覚醒剤を巻き付け、さらにその上にフィラメントを巻き付けて隠していた |

写真:東京税関提供

写真:東京税関提供
警察、税関では、不審な部屋の情報提供を呼び掛けています。賃貸住宅等で 何か不審なことがあれば以下へ通報・情報提供をお願いします。
警察相談専用電話:#9110
税関密輸ダイヤル:0120-461-961
税関HP:https://www.customs.go.jp
①トップページより、「密輸情報提供」をクリック
②「密輸情報提供サイトへ」をクリック
③「密輸に関する情報提供」画面に遷移
④「提出先を選択してください」で最寄りの税関を選択
⑤「密輸に関する情報」欄に空き家(空き部屋)の所在地及び不審な状況を入力し、「送信」をクリック
賃貸住宅が特殊詐欺グループのアジトにされているかもしれません!
高齢者等に身内を装った電話をかけ、現金やキャッシュカードをだまし取ったり、医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させ、犯人の口座に送金させる犯罪を総称して「特殊詐欺」といいます。
特殊詐欺の認知件数及び被害額は下図のように推移していますが、令和4年次は3年次と比べ一段上昇していることが報告されています。
警察庁「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)」
この特殊詐欺の犯行グループの活動アジトとして、賃貸住宅が悪用されるケースがあります。 下図は東京都をはじめ大都市圏に設けられた架け場等(犯行グループが欺罔電話をかけたり、 出し子・受け子らグループのメンバーに指示を出したりする場所等)です。 従来、賃貸マンション、賃貸オフィスが主流でしたが、車両、ホテル、民泊施設などもアジトとして摘発されています。 また令和4年次では、賃貸アパートが飛躍的に増加していることが報告されていますので、家主や管理会社の皆様は 犯行拠点の特徴等にご留意ください。

警察庁「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)」

・管理人が常駐していない
・防犯カメラを設置していない
・オートロックの設置がある
【契約に関すること】
・普段取引のない仲介業者からの突然の紹介である
・角部屋を好む
・契約期間を残し、短期間で退去する
【室内の特徴】
・外から視認できないよう、カーテンやブラインドを締め切りにしたり、黒画用紙を窓に貼り付ける。
・防音対策のため、室内の壁に防音シートを貼ったり、エアマットレスを玄関に立てかける、スポンジを窓枠に付ける
【情報提供からの検挙事例】
・不動産管理会社から「名義人とは異なる若者多数が出入りしている。」
・不動産管理会社から「不審な男たちが出入りしている事務所がある。」

『匿名通報フリーコール』〔月~金/9:30~18:15〕
フリーダイヤル:0120-924-839
空き家・空き部屋の不正利用防止に向けた対策強化について
近年、特殊詐欺の詐取金の受取先や不正薬物の送付先として、空き家(空き部屋)が悪用されるケースが増加 しています。
加えて、賃貸住宅も特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の犯行グループの拠点として利用される実態が確認されています。
こうした状況を受け、政府は2024年6月18日の犯罪対策閣僚会議において、『国民を詐欺から守るための総合対策』を決定し、 不動産業者等と連携した空き家等の不正利用防止策の強化を打ち出しました。警察庁・財務省からも、賃貸住宅の管理者や不動産業界に 向けた広報啓発の依頼がなされています。詳しい対策については、以下のリーフレットをご覧ください。 |
